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Tone ArmDV 507MKII

電磁粘性・質量分離型・ダイナミックバランストーンアーム

トーンアーム/DV 507MKII全体写真
1984年の発売以来、世界中のオーディオファイルから高い評価と支持を獲得してきた、質量分離型トーンアームDV507が待望のリニューアル。
質量分離型トーンアームはカートリッジの種類に拘わらず、レコードに刻まれた音楽信号を理想的にトレースします。反ったレコードの追従性能だけでなく、その再生音は驚くほどの分解能に富み、重厚な低音再生が可能となります。

主要パーツをリニューアルして好評発売中!!

主な改良点
トーンアームDV 507MKIIに採用されている高精度オールステンレスベアリング
高精度オールステンレスベアリング採用 厳選した精密級ベアリング採用により、良好な動作感度と安定したトレース性能を長期間維持します。
トーンアームDV 507MKIIに採用されている非接触型電磁粘性ダンパー
非接触型電磁粘性ダンパー 強力なネオジム磁石を新規採用することにより、アームのトレース性能を損なう低域共振をより一層抑えています。
トーンアームDV 507MKIIに採用されている大型アームリフター
大型アームリフター採用 安定した動作とともにその性能を長期間維持でき、カートリッジの上げ下げ時のストレスを解消します。
トーンアームDV 507MKIIに採用されているヘッドシェルコネクター
取り外し可能なヘッドシェルコネクター採用 ヘッドシェル接触ピンや出力ピンにはすべて接点不良防止効果の高いロジュームメッキを採用。
トーンアームDV 507MKIIに付属の新型ヘッドシェル
新型ヘッドシェル標準付属 アジマス調整可能な、EIA規格高剛性アルミ削り出しヘッドシェル。リード線は6Nリード線を採用
トーンアームDV 507MKIIに付属の高級アームコード
高級アームコード標準付属 ダブルバランス・シールド6N/OFCハイブリッド線採用の新アームケーブル。5PINコネクター部はDIN規格に準拠。

質量分離型トーンアームDV 507MKIIの特徴/構造/仕様

質量分離型トーンアームとは

トーンアームが果たす2つの大きな役割。
カートリッジのカンチレバーの動きが正確に信号に変換されるようカートリッジ本体を振動させることなく確実に支持すること。
レコードのそりにも十分追随するすぐれたトレース性能を持つこと。

この2つを合理的に解決できるトーンアームが質量分離型トーンアームDV 507MKIIです。
「DV-507MK2」は質量分離型の基本モデル「DV-505」、標準モデル「DV-501」に続き、当社のトーンアームに開する理論的ポリシーを全てとり入れながら、一般のトーンアームに優る使いよさを徹底的に追及し完成させました。
  • 経年変化の少ない電磁粘性ダンパの採用
  • 内蔵アームリフター付き
  • 微調整可能な高さ調整機構
  • 優れたトレース性能と針圧印加が容易なダイナミックバランス針圧機構
  • サブアームのダイナミックダンパーの採用

など「最新の理論と精密加工技術」より生まれた、信頼性の高い数々の特徴を備えています。外形の大きさも極力コンパクトになっていますので取付けるプレーヤボードを選びません。


シカゴCESでデザイン&工ンジニアリング賞を受賞 一般的な形状のトーンア一ムの解析結果 質量分離型トーンアームの解析結果

シカゴCESでデザイン&工ンジニアリング賞を受賞

トーンアームシリーズの初代モデル「DV-505」が1977年のシカゴCES(Consumer's Electronics Show)でそのすぐれた設計思想に対してデザイン&エンジニアリング賞を受賞して以来、常にヨーロッパを中心としたオーディオ誌でトップにランクされる高い評価を受けてきました。
「DV-507」はこれを証明するかのように、1985年のシカゴCESで再びその設計に対しデザイン&工ンジニアリング賞を受賞しました。
トーンアームに対するダイナベクターのこの一貫した優れた設計思想は、「DV-507MK2」においてもそのまま受け継がれています。

正確な信号再生と優れたトレース性能を可能にする質量分離型トーンアーム

質量分離型トーンアームと書くと難しそうですが、水平方向・垂直方向が独立して動く2本のアームを持ったトーンアームのことを意味します。一般のトーンアームは1本のアームが水平・垂直に動く支持方式(これをジンバル式と呼んでいます)です。この場合は当然、水平方向も垂直方向も同じ大きさの「慣性質量」を持つことになります。
質量分離型トーンアーム「DV-507」はこのような一般のアームの慣性質量に比べ、水平方向アームは大きな値に、垂直方向アームは小さな値となるように設計されています。その理由は以下です。

カートリッジは、カンチレバーとカートリッジ本体の間の相対運動によって信号を発生します。 したがってカートリッジを支持している部分であるトーンアームが振動していると、その動きと音溝に追随しているカンチレバーの動きとの差によって、信号が発生してしまうことになります。 トーンアームのようにカンチレバーに比べてはるかに大きな物体を振動させる信号は、大きな振幅を持つ低域の信号に限られます。
ここで現在のレコードの録音方式を考えていただきたいのですが、このような低域の大振幅を記録するためには、レコードの厚み方向にカットしたのではレコードに穴が空いてしまうので、全て水平方向のカットとなるようにレコードに記録しています。
ということは、トーンアームに振動を与える低域信号は水平に振動する成分が主です。 水平の動きに対しては、 カートリッジがしっかりと支持できるように、強固で大きな慣性質量を持ったアームを使用する必要が生じます。 一方、垂直方向に対してはレコードの「そり」などにより、レコード音溝の信号振幅に比較してはるかに大きな動きが生じます。 トーンアームはこの動きに対して、十分追随できるだけのトレース性能を必要とします。 「DV-507」のように垂直方向の慣性質量が小さなトーンアームは、「そり」の大きいレコードに対しても追随性に関して非常に有利であると言えます。

以上のことを示すために、ごく一般的な形状のトーンア一ムと、「DV-507」について、ひとつの結果をお見せします。 これはレコード面に「そり」があった場合に、アームに支持されたカートリッジ本体はどのような動き方をするか解析したもので
図-1は一般的なアームを使用した場合
図-2は「DV-507」を使用した場合を表わしています。

図中Aで示された曲線はレコード表面の変位量を、Bはカートリッジ本体の変位量を示しています。 一般的なトーンアームの場合では、アーム自身の特性によってレコードの「そり」よりもずっと大きな変位をカートリッジに与えてしまいますが(この場合、カンチレバーはレコード表面から離れてしまっている)、質量分離型トーンアームの「DV-507」では十分追随していることがお分かり頂けると思います。


トーンアームDV 507MKIIに採用されている電磁粘性ダンパー/拡大図

ネオジム・マグネットによる電磁粘性ダンパー

トーンアームの低域共振に起因する再生信号の歪やトレース性能の悪化を防ぐため、非接触型電磁粘性ダンパーを採用しています。
このダンパーは磁界中を運動する導体中にうず電流が発生することを利用した粘性ダンパーで、「DV507MK2」では従来のサマリウム・コバルトに改良を加え、より強力なネオジムマグネットを採用しました。 このため、温度変化や経年変化が全くなく、常に安定して低域共振を吸振します。


トーンアームDV 507MKIIのダイナミックバランス型針圧印加機構

針圧印加機構はダイナミックバランス型

カートリッジへの針圧印加機構には、精密級のうず巻バネを使用したダイナミック・バランス型を採用していますので、ターンテーブルなどの傾きに左右されず、カートリッジには常に安定した針圧を印加ができます。 また軸受には精密級オールステンレスベアリングを採用し、支持間隔を可能な限り大きくとることにより、等価的にべアリング精度と動作感度を増しています。これによって支持部の信頼性を高めると同時に、トレース能力を飛躍的に向上させました。


トーンアームDV 507MKIIに採用されているダイナミックダンパー内臓のサブアーム

ダイナミックダンパー内臓のサブアーム

通常トーンアームは低音域のアームレゾナンスの他に、100~200Hz近辺の中低音域にマルチレゾナンスを持っており、特性に小さな山谷が生じることがあります。 「DV-507」ではこの問題に対しても理論的に解析し、サブアームにダイナミックダンパーを取りつけました。 これによりマルチレゾナンスが除去され、よりカラーレーションの少ないトーンアームとなっています。


トーンアームDV 507MKIIの高さ調整機構 トーンアームDV 507MKIIのダイヤル式アンチスケーティング機構

操作性の向上

高さ調整機構、アンチスケーティング機構を操作性を重視して新設計しアームリフターも内蔵していますので、非常に使い易いトーンアームとなっています。
特に高さ調整は0~7mmの範囲で、レバーを左右に回す事により微調整できます。 アンチスケーティング機構はダイヤル式になっていますのでレコード演奏時でも調整可能です。

photo A /レバーにより微調整可能な高さ調整機構
photo B /ダイヤル式アンチスケーティング機構

コンパクトな外形サイズと容易な取り付け

「DV-507」の外形サイズは、実効長では従来のトーンアーム「DV-505」、「DV-501」と同じですが、全長では大幅にコンパクト化されています。 このため、他のアームとの互換性にすぐれ、国内外のほとんどのプレーヤ一ボードに取り付け可能です。

取付けはターンテーブルボードにφ29mmの取り付け孔を空け、アームベースを3箇所ネジ止めすればOKです。 取付け位置はターンテーブルスピンドル中心からアーム取付け孔中心まで約226mmとなります。

取り付け図拡大画像(PDF:40KB)

トーンアームDV 507MKIIの各部寸法

仕 様
型 式
電磁粘性・質量分離型
サブアーム・ダイナミックダンパー付
ダイナミックバランス・トーンアーム
全 長
306mm(シェル付、最大326 mm)
実効長
241mm
オーバーハング
15mm
オフセット角
21.5度
全 高
59mm(最大92mm)
高さ調整範囲
39mm~72mm(サブアームパイプ中心)
取付部深さ
36mm(接続ケーブル含まず)
適合カートリッジ重量
15~35g(シェル付)
水平トラッキングエラー
内周0度、外周2.2度
感 度
水平50mg以下、垂直40mg以下
重 量
1,380g
コネクター
5Pコネクター
へッドシェルコネクター
EIA規格4Pコネクター
その他
低抵抗ケーブル(0.0250Ω/m・50pF/m)
切削加工ヘッドシェル(重量12g)
アームリフター内蔵