ハイエンドシステムのスーパーステレオ試聴記

ハイエンドシステムのスーパーステレオ試聴記----越の聴楽酒仙坊

  鎌谷さんのシステムは、俗に言うところのハイエンドシステムで、インフィニティ・イプシロンをFMアコースティックのアンプFM411でドライブし、プリアンプは管球式のサウンドパーツ製の特注品、SACD/CD/DVDプレーヤーはエソテリックのDV-50(近々UX-1に変更予定)を使用するなど、皆が羨むシステムである。

 しかし、これで満足するような鎌谷さんではない。日々前進あるのみで、まさに、使用スピーカーの名のごとく、無限探求精神(インフィニティ・リサーチ・スピリット)の持ち主、平たく言えば、良いと思うと居ても立っても、触らずにはいられない方である。吸音をやるといったらそればかり、振動対策にしても、電磁波対策にしても徹底する。しかし、単に機械弄りのマニアというわけではなく、熱心なコンサート・ゴーアーで、「サントリーホールの響きを我が家に」という欲張りである。この「我が家をホールにする。」という意欲に、同じく神戸のマニアのM氏からスーパーステレオの存在を知らされて火がつき、ダイナベクターの試聴室平本式HSSを歴訪したのだから、もう止まらない。この報告は、あくまで6月19日現在の鎌谷邸のスーパーステレオシステムの報告である。

 現在のシステム構成は次のようになっている。

メインスピーカ :インフィニティ・イプシロン+TakeT BAT1
フロントサブスピーカ(F) :モニターオーディオ Radius 90+TakeT BAT1
フロントサイドスピーカ(M) :富士通テン+TakeT BAT1
リアスピーカ :Yoshii 9+富士通テン

 弄り屋の鎌谷システムは、聴く度に音が変わり、正直なところ、「一歩進んで二歩下がる。」というようなこともあった。しかし、このところ最近は打つ手がすべて当たっているように思う。

 すなわち、フロントスピーカーのグレードアップ、スーパーツイーターの使い方、サイドのスピーカーの向きの調整、Yoshii 9 無指向性+富士通テンのリアスピーカーの使い方などなど、スーパーステレオの調整がうまく行っているように思われる。

  加えて、インフラノイズのインシュレーター「マグナライザー」をインフィニティに敷いたことで、低域がぐっと締まり、このことがスーパーステレオ特有の超低域の伸びと相乗効果をもたらして一段と良い結果をもたらしたと言える。
さらに、インフラノイズの新製品で1ppmレベルでのリクロックを効かせると劇的に効いて、もともと鮮明でディテールの再現に優れたインフィニティがさらに一皮向いた感じで、しかもハイエンドにありがちな、とげとげしさのまったく無い、自然なディテールの向上であったと評価できる。

  しかし、注意すべきは、鮮度を上げるリクロックと環境音を付加するスーパーステレオの効果はコンセプトの方向性が違うので、お互いが協調できるレベル設定が重要なように思われる。

 当日、鎌谷邸で聴いたキングスカレッジの少年聖歌隊のDVDのパーフォーマンスは、自宅の調整基準のひとつとしてチャレンジして行こうと思った。

  同行のM氏を始め、「もうこれでいいのではないか。」という声が多いなかで、訪問の翌日には鎌谷氏のメールが、「どこそこを触ってどうなった。」という報告で必ずくる。もう一人の同行のA氏は、鎌谷氏の言動は、関西オーディオ界に名を残した故伊井先生のおっしゃっていたことに最近似て来たと言う感想を漏らされた。ともかく、恐るべきは平本邸のHSSも目標に置いての鎌谷氏の探究心である。

越の聴楽酒仙坊 記


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