カー用パワーアンプの話

パワーアンプの能力を引き出すには/入力感度とは
■ パワーアンプの能力を引き出すには

  • 電源ケーブルは良質で太いものを使用する

    パワーアンプにとって最も重要なのは、電源ラインの供給能力です。カーオーディオ電源は、ホームオーディオの交流100Vと違い、バッテリーの直流12Vなので同出力を得る場合8倍近い電流が流れます。またバッテリーとパワーアンプが車内で最も離れた位置にあるケースが多く、電源ラインがどうしても長くなりがちです。 このため電源ケーブルにはできるだけ良質で電圧降下の少ない断面積の大きいケーブルを使用する必要があります。

  • 電源ケーブルのネジ止め部の接触抵抗を減らす

    両端および途中のネジ止め部分も、接触抵抗の少ない物を使用してしっかりと締めてください。電源ケーブル全体で、もし、0.1オームの抵抗値があると仮定すると、50Wクラスのパワーアンプではピークで1V程度の電圧降下を引き起こしてしまいます。これは、音質に悪い影響を与えるばかりでなく、最大出力も10%から15%程度減少します。

  • パワーアンプの近くに大容量コンデンサーを設ける

    50〜100万マイクロファラッド程度の大容量コンデンサーを設けることにより、瞬時における大電流にも対応でき、ACリップルなどのノイズを取り除く効果もあります。しかし取り扱いと設置には十分注意が必要で不用意な取り扱いは大変危険です。

  • バッテリーは良質なものを使用する

    弱ったバッテリーは電源電圧が降下しており、パワーアンプの能力を極端に悪化させます。交換時期を早めにして常に安定した電源を供給するようにします。

  • マルチチャンネル・パワーアンプは電源回路独立タイプが有利

    マルチチャンネルのパワーアンプでは、内部で2チャンネルごとに電源回路が独立したタイプと、全てのチャンネルが、ひとつの電源回路から供給されているタイプに分かれます。(マグナット社製パワーアンプの場合、クラシックシリーズが前者、コンバットシリーズが後者にあたります。)当然のことながら、後者の方が他のチャンネルの影響を受けにく、優れていると言えるでしょう。マルチチャンネルアンプを使用する場合、メーカーに問い合わせて、予算が許す範囲で後者のタイプを使用すれば良い結果が得られます。

    Classic480 photo Combat4 photo

  • パワーアンプはクリップさせない

    パッシブネットワークを使用する場合、パワーアンプで出力をクリップさせると、高調波(クリップさせた周波数の整数倍の周波数成分)が大量に発生し、トゥイータを焼損させる恐れがあります。低域では聴感上クリップしても検知しにくいので注意が必要です。
    パワー的には余裕のあるものを使用し、定格いっぱいでは使用しないこと。

  • 放熱効果を上げる

    パワーアンプには発熱が大敵です。設置場所は空気の流通をはかり、定期的にシャーシー表面を中性洗剤などでクリーニングします。パワーアンプのシャーシー表面が汚れると放熱しにくなってしまいます。


■ 入力感度について

 入力感度とはそのパワーアンプが定格出力を得るために必要な入力レベルで、たとえば入力感度が1Vであれば、ヘッドユニットから1Vの信号を入力したとき、フルパワーがでると言う意味です。そのためヘッドユニットの出力に応じて入力感度を適切に調整する必要があり、入力感度の調整が不適切な場合S/N比が悪化するだけでなく、アンプの最大パワーも得られません。

  • 入力感度の調整方法

    1. はじめにパワーアンプの入力感度調整つまみを絞って(音が小さくなる方)おきます。
    2. この状態で録音レベルがなるべく大き場所をCDで再生して、ヘッドユニットのボリュームを徐々に上げていき時計でいう3時位の位置に固定します。
    3. この状態でパワーアンプの入力感度を徐々に上げていき、通常必要とする最大音量を得る位置に入力感度を設定します。
    4. この後はヘッドユニットのボリュームで必要に応じて音量を調整して下さい。
    5. このように調整することで、S/N比が向上するばかりでなくパワーアンプの能力を最大限発揮できます。

  • 最近のアンプの入力感度が低くなる傾向  

    通常入力感度は1V前後でしたが、最近のパワーアンプでは許容入力感度が3V〜5Vと低くなる傾向にあります。これはヘッドユニットからのライン信号レベルをなるべく大きくして(必要な場合増幅して)パワーアンプに送り出し、パワーアンプ側の入力感度をなるべく落として使うといった使用方法が多くなったことによります。すなわちヘッドユニットの信号をラインケーブルを通じトランクルーム等まで長く引き伸ばす場合、ハイレベル伝送することにより、S/N的にノイズの影響が少なく有利になるからです。
    当社の製品「ラインアンプ LA−100」もこれを目的にしています。S/Nの改善だけでなく、音質の改善効果も絶大で中低域の重厚感が増します。

  • 入力感度の回路方式  

    カー用パワーアンプの入力感度は、ほとんどの機種が数100mVから数Vまでの連続可変になっており、その回路方式はおおよそ下記の2種類があります

    1. 単に入力にボリュームを入れたタイプ
      この方式のパワーアンプは、連続可変範囲のうちでいちばん感度が高い側にアンプのゲインが設定されています。低感度にするには、入力をボリュームで絞ります。この方式の利点は、ゲインの差による音質の変化が少ないことです。

      欠点は、アンプ自体が高感度に設計されているために、ボリュームを絞っていってもノイズレベルが減少しません。低感度で使用するには不利なタイプです。

    2. NFB量を入力感度により変化させるタイプ
      この方式のパワーアンプは、NFB(負帰還)回路にボリュームを入れ連続的にアンプの利得自体を変化させます。この方式の利点は、入力感度を下げたとき、比例してノイズレベルも下がることです。また、NFBループ内にボリュームが入るため、ボリュームの非直線性が低減されます。

      欠点は、ゲインの差により音質が多少変化することです。低感度で使用するのに有利なタイプです。

      *ホーム用パワーアンプでは、上記の2方式をミックスした方式もあります。(フィリップス社製など)

(97/10/10)


Copyright (C) 1996,1997 Dynavector Systems, Ltd. All Rights Reseved.

Homeへ 基礎知識のTOPへ