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Dispersion Theory

波束分散理論

レコードからの情報を正確に伝えるには周波数特性のみに着目していては十分ではありません。

ダイナベクターではカートリッジという機械振動系の解析における波束分散理論の重要性を認識し、その設計において分散特性の一層の向上をはかりました。

その答えが1.7mm長ダイヤモンドカンチレバーという微小振動系をもつ KARAT 17D3です。

分散(Dispersion)とは

カートリッジはレコードからの機械振動を電気振動に変換しますが、曲げ波(横波)である入力波は歪むことなく出力側に伝播する必要があります。

この曲げ波がカンチレバーを伝播する時、曲げ波の進む速さすなわち位相速度が波長あるいは振動数に依存して変化することは以前より知られており、このような現象を分散と呼んでいます。

音楽信号のようにさまざまな周波数成分からなる信号は波束(波群)の連続として考えられ、伝播する波束の速さ(群速度)は周波数によって異なり、カートリッジのカンチレバーのような分散性媒質を伝播する際その形状を崩していきます。

そのためレコードに記録された音楽信号を忠実に電気信号に変換するには、可能な限りこの分散を少なくする、すなわち分散特性を良くする必要があります。

このためカンチレバーに求められる条件は「伝播速度の速い材質」で「伝播距離が短いこと」ということになります。カラットシリーズで採用された1.7mmダイヤモンドカンチレバーはこのような理由によるものです。

音の伝播速度 m/sec
ダイヤモンド・カンチレバー 17,400
ボロン・カンチレバー 13,500
アルミニューム・カンチレバー 5,200
材質による伝播速度の違い

同じ周波数特性を持つカートリッジでも再生される音が異なるのはご存知のとおりです。波束分散理論はこの疑問を解くひとつの鍵となっています。

波束分散による波形の変化を計算によってシミュレートした結果を下記に示します。

Fig.Aは10KHzの方形波を200次までの高調波によって表したもので、この波形がカンチレバーに入力される波形とします。

Fig.BとFig.Cはカンチレバーを伝播した後の出力波形に相当します。

Fig.Bは従来より使用されている一般的な7mm長のアルミパイプカンチレバー、Fig.CはKARAT 17D2MK2(旧モデル)の1.7mm長ダイヤモンドカンチレバーの出力波形です。

KARAT 17D3の波束伝播特性がいかに優れているかお分かりいただけると思います。

KARAT 17D2MK2の波束伝播特性

超軽量小型振動系

波束分散理論より生まれた超軽量小型振動系は分散特性の良さだけでなく、すぐれたトレース能力を持っています。

その再生周波数特性は理論上100KHzにも及び、50KHzまでは全くフラットな特性を維持しています。

ダイヤモンドカンチレバー採用のKARAT 17D3はレコードの記録信号を、「色付けなくそのままピュアに伝達する」というトランスジューサーとしての理想な形を実現しています。

KARAT 17D2MK2の周波数特性