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Original Parts

モールトン専用 IRC製 17インチタイヤ

TSR用 リキセンカウルアッタチメント1TSR用 リキセンカウルアッタチメント2TSR用 リキセンカウルアッタチメント3
PRICE¥11,000(税込)

Specification / 特徴・性能

IRCの最高グレードによる17インチタイヤ。IRC独自のシリカコンパウンド採用 グリップが増し、走行抵抗が軽減されます。 ロードレーサーのタイヤと同じ軽量、肉薄構造、しなやかな乗り心地と性能を両立しており、サイドにAlex Moulton の刻印入り。
限定・少量生産での販売となっております。 ※販売時期により価格が変動する場合がございますので予めご了承ください。詳しくは販売店舗へお問い合わせください。
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開発秘話

 名古屋のモールトン販売店、ベロ・ワークスの江口さんは以前から「モールトンに現代の最高レベルのタイヤ履かせたいですねえ」とIRC(井上ゴム)に提案していたそう。小径車が流行するなか、ついに昨年IRCが動く。最高峰のモールトンにモダンテクノロジーのレーシングタイヤを使ったらどうか、という企画が持ちあがったのだ。まずは既存の17インチタイヤをIRCがテスト。結果はどれも「悪くはないが、現代の基準で見ればどれも最高レベルとは言えない」。

 その後IRCが17インチタイヤの予想性能表を作る。レース用とは言え、一般走行時の耐久性、耐パンク性を考慮した作りになっていた。あくまで一般的なツーリングユースを主眼にしたかったからだ。 この時点で少量生産ゆえのコスト高が問題になる。どんなに良いタイヤとは言え、一本¥10,000のタイヤが受け入れられるのか? IRCもモールトン社も各販売店も、決心が鈍る問題だ。だがダイナベクターはIRCの予想する「約5%の走行抵抗の軽減」に着目せざるをえなかった。自転車における5%の差は小さくない、いやむしろスゴく大きいはずである。同じライダー、同じ自転車が並んで走って、片方のタイヤが5%よけいによく転がるとなると、100メートルで5メートル、1キロでは50メートルの差がつく、と言えるのかもしれない。自転車乗りは競争の時、5メートルの差を縮めるのがどれだけ大変か知っている。 50メートルではもう追いつくのは不可能だろう。

 モールトンは今まで何回その時々の最新ロードレーサーと比較されて来たことか?敵は常に最新のタイヤを装着しているではないか?そもそもタイヤのグレードがイコールでなければモールトンとの正当な比較は出来ないのである。つまりこのタイヤが出現しなければ、モールトン博士を含めて、世界中のだれもモールトンの本来のポテンシャルを味わうことが出来ないのだ。この考えには関係者全てが同意、プロジェクト進行の決定要因になった。

 そして今年初め、ついにサンプルが出来上がる。関係者は期待とともに試乗開始。結果は予想を上回るすばらしいものだった。 とにかく同じ自転車とは思えない。「これが本当のモールトンの走りだったのか!」特にスムーズ感がたまらない。小さなギャップはそれが存在しないかのように吸収される。またがって数メートル走れば違いは分かる。私の場合以前は空気圧を6キロで乗っていた。これ以上入れるとゴツゴツ感が出てしまい長距離では疲れてしまうのだ。だが新しいIRCは7キロ入れてもスムーズなのには驚いた。高圧になるほど接地面積が減って、抵抗が減るのは言うまでもない。また空気圧とは別にグリップ性も向上した。スリック(坊主)タイヤにもかかわらず、シリカコンパウンドのおかげか、濡れた路面も心配ない。とにかく滑らかに転がり続ける「マジックカーペット」の感がある。

 不満があるとすれば耐磨耗性と耐パンク性だろうか?磨耗に関してはIRCの予想では寿命は既存のものの3割引きくらい、という。また肉薄のため比較すれば既存のものよりパンクはしやすいだろう、とのこと。 だがモ博士の要求を容れ、トレッドはIRCの700‐Cサイズなどよりわずかに厚くしてあるので、一般的なロードレーサーのタイヤより耐パンク性は良い、とのこと。またサイド部分も、レーシングタイヤのようにカーカスを露出させずゴムを張り、紫外線による劣化対策としている。残念ながら自転車タイヤでは耐久性と性能は両立できない。それはロードレーサーでは常識である。それでも10年、20年前と比べれば性能と耐久性はどちらも向上しているのだ。

 最新技術によるタイヤはモールトン本来の性能を引き出してくれます。その素晴らしさを、一人でも多くの17インチのモールトニアに味わって頂きたい、と思います。

 IRCさん、素晴らしいタイヤ、有り難うございました。20インチも作ってくださいね。
文責:富成次郎/ダイナベクター