BAC TSR-2  
Kit No.4809 BAC TSR-2(Tactical Strike Reconnaissance Aircraft)
BAC TSR-2 (Tactical Strike & Reconnaissance Aircraft)

TSR top view

 

TSR side view

 

 TSR rear top view

 TSR2はジェット爆撃機キャンベラの後継機として1957年に開発が始められました。

 機体仕様は核兵器搭載、低空超音速侵攻,無給油長距離飛行(1850km)、不整地からのSTOL、最
高速マッハ2.75等々、当時の最新技術をリードするものでしたが、開発に長期間を費やし、予算超過も莫大な金額となってしまいました。

 1964年9月に初飛行し、その結果は良好なも
のでしたが、運悪く、TSR2の予算超過を非難する労働党が政権を取り、初飛行からたったの半年後に計画はキャンセルされ、関連器材は全て廃棄、完成していた機体の飛行すら禁止されると言う、恣意的とも見える過酷な処置が取られました。

 TSR2を失った英空軍はアメリカのF111を購入する事になりましたが、これも後に予算削減でキャンセルされ、最終的には音速すら出ない不細工なバッカニアをあてがわれてしまいました。

 TSR2のキャンセルには、ヴィッカース・グループと繋がり、バッカニアを押すマウントバッテン卿の政治的圧力も有ったと言われ、優れた機体の廃棄決定は今にいたるもスキャンダルとして伝えられています。結果的に、イギリス航空機産業はこれ以後自力で超音速機を開発する能力を失う事になってしまいました。

  • 全幅 11.28m
  • 全長27.13m
  • 最高速度 マッハ2以上
  • 2xブリストル・オリンパス

 キットは、2機現存するうち塗装もオリジナルで保存状態の良いコスフォード空軍博物館の機体を採寸して原型を作りました。組上げると全長57cmにもなる大きなキットですが、ダイナベクター・キットの常に違わず組立ては簡単です。

 胴体は前半は縦割り、後半は横割りにしプラ板も1.5ミリと厚めにしたのでガッシリと組めます。デルタ翼は左右一体、胴体との継ぎ目は、いつもの通りぴったり合うのでパテは要りません。

 複雑な脚は全てメタル製、巧みな分割で迫力ある主脚が簡単に再現で来ます。白一色の単調な塗装を引き締めるため、デカールにはステンシルを多く印刷しましたが、全て実機取材からの正確なものです。

 試作機、計画機のキットは需要が少ないのが普通ですが、TSR2はその美しい姿と、悲劇的ヒロイン性が支持されるのか、世界中で人気を得ております。組上げたキットの美しさに、貴方も感銘を受ける事でしょう。

 写真は無塗装の作例も混ざっておりますので、その旨御留意下さい。

■キット内容
バキューム・パーツ 33ケ(4枚)
ホワイトメタル・パーツ 56ケ
キャノピー 2ケ
デカール (シルク印刷)
希望小売価格 \9500 (税別)

(2002/3/30)


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